プリントゴッコしよう

 メーカーの新製品の発売が期待できない昨今ですが、魅力的なエアライナーの新塗装はぞくぞく登場しています。
 そんな機体を作りたくなったときはどうしても自作デカールに頼らざるを得なくなりますが、自作デカールのプリンターとして名高いアルプス電気のマイクロドライ(MD)プリンターは、高価なものですので購入に二の足を踏んでいる方も多いと思います。
 そこで登場するのがプリントゴッコです。
 最近はこれで印刷した年賀状はほとんど見かけなくなりましたが、20年程前の全盛期には多くの家庭に普及していたので、押し入れで眠っているという方は結構多いのではないでしょうか?
 私が持っているのはこの初期型のタイプですが、現在でも交換部品が売られていて今でも十分に使えます。

 まずは作りたいエアラインや機種のマーキングやロゴの資料集めからです。
 できるだけゆがみのない真横からの画像を探します。
 パンフレットや本、インターネットを駆使して集めましょう。
 で、いいものが見つかったら、できるだけ大きく拡大コピーします。
 あまり大きく拡大すると画像が不鮮明になり、この後で行うトレース作業がしにくくなるので注意します。
 今回作るのはブルーのグラディーションストライプが爽快なユナイテッド航空の新塗装機です。
 垂直尾翼のマークは塗装でいけそうなので、胴体のタイトルとレジナンバーのデカールを作ります。
 その他のドアやスターアライアンスのマークなどはジャンクデカールを使用します。 

 拡大コピーしたものをトレーシングペーパーに写します。
 今回の場合は、丸い胴体に描かれた文字を横から見たものを写すわけですから、そのままでは字の高さが低くなってしまうので、このように上に伸ばす必要があります。


 トレース終了です。
 
  

 プリントゴッコの原稿を作る行程に入ります。
 トレーシングペーパーをさらに大きく拡大コピーして、線が曲がっていたりはみ出しているところを紙用の修正液で修正し、マジックで真っ黒に塗りつぶします。
 これを縮小コピーすることによって原稿の精度が増すわけです。
 

 模型に合う大きさに縮小コピーします。
 コピーは会社で内緒に・・・という方も多いと思いますか、私の場合は会社のコピー用紙が茶色っぽい再生紙なので使えないため、コンビニでコピーしています。
 で、この縮小作業、結構微妙な調整が必要なのでコピー機を独占することになり、飛行機の写真片手に何度もコピーを繰り返すのがちょっと(ちょっとか?)恥ずかしいです。





 プリントゴッコでデカールに印刷します。
 印刷に使用するクリアデカールは、モデラーズのカルトグラフ製のものが適しています。
 デカールは紙と違ってインクの染み込みが良くない(染み込むとういよりは「乗っている」ような状態)ので、このようにボケて印刷されます。


 そこでどうしても修正作業が必要になります。
 細筆で丁寧にタッチアップします。
 使う塗料は油性塗料で大丈夫ですが、あまり何回も筆でこするとデカールが溶けてしまうので注意します。
 でも、さすがはカルトグラフ、かなり厚塗りしてもちょっとやそっとじゃ溶けないです。 
 インクがデカールに乗っているような状態なので完全乾燥に2〜3日かかります。
 インクが完全に乾燥すれば、普通のデカールと同じように貼ることができ、軟化剤も使用できます。

 プリントゴッコのデカールはどちらかといえば「手描き」に近いので、プリンターが苦手とする色合わせがしやすい、黄色や水色などの淡い色の発色が良いというメリットがありますが、複雑なものや細かいものを作るのはかなりの技術が要求されます。
 でも、既製品やプリンター製デカールとは違って、苦労して完成させたのがぱっと見て分かる手作りっぽい仕上がりになるのが良いですね。

 私は筆でのタッチアップが苦手なので、このような単純なデザインのものしかできず、結局限界を感じてMDプリンターを買ってしまいましたが・・・

 完成品の画像はこちら

 プリントゴッコでもここまでできちゃうぞという見本(W氏作品)はこちら
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